中村俊輔、決勝ゴールでセルティックを優勝に導きリーグMVP獲得

スコットランドリーグ:セルティック2−1キルマーノック>◇22日◇英キルマーノック
今季、何度もドラマを演出してきたセルティックMF中村俊輔(28)の左足が、また大仕事をした。後半ロスタイムに放ったFKは、相手の壁を左から巻くような軌道を描き、ゴール左隅に突き刺さった。

普段は冷静な中村が、興奮と喜びを爆発させたかのように走りだす。珍しくユニホームを脱ぎ、振り回した。あっという間に、仲間にもみくちゃにされた。この日、先制点を導いたCKと合わせて、1得点1アシストの活躍。ストラカン監督は「彼は天才だ」と絶賛した。優勝への重圧からか、チームが本来の力を出し切れない中で、中村からのセットプレーが強力な武器であることを、あらためて印象付けた。

セルティックMF中村俊輔(28)が年間MVPに輝いた。試合後、選手協会選出のMVPが発表され、俊輔が選ばれた。日本人選手のMVP獲得は史上初。誰もなしえなかったことを俊輔がやってのけた。

勝ち点差からセルティックが優勝するのはほぼ決定事項だったけど、同点アシストと決勝ゴールまで中村俊輔選手が上げるとは…いやはやそういう星回りで生まれたというか、こういうのを「千両役者」って言うのでしょうね。

試合後に行なわれたリーグMVPは選手投票、しかも自分のチームには投票できないというルールの中での受賞。同時に受賞した年間ベストゴールはおまけみたいなもの。いかに中村俊輔という存在が他のチームに強烈な印象を与えたかが証明されたといってよい。
スコットランド・プレミアリーグヨーロッパリーグの中では2番手に位置するリーグだけど、歴史は古くファンの目も肥えている。そんな中で極東のサッカー後進国の選手が公に認められたのだから、これは本当に快挙。

今後の注目はやはりオフシーズンの動向か。
どうやら当人は来年もセルティックに残ることを希望してるけど(次年度の欧州チャンピオンズリーグにも予選3回戦から出れる)、これだけ活躍した選手を他のリーグも黙って指を加えてはいないだろう。ただ上位リーグに移籍した場合、アジアの選手が必ずしも優遇されないことは過去の例をみても明らか(監督にもよるだろうが)で、セルティック側も自チームの最も重要な存在となったシュンスケ・ナカムラを手放すという選択は、余程のオファーでない限りは首を縦に振らないだろう。