アンフェア the Movie

本日は映画の日で休日。滅多にないことなので、早起きして朝っぱらから映画を観ることに。下調べした結果、一番早く上映してる&観たかった「アンフェア the Movie」に決定。

観に行った人のレビューをみるとどうもあまり良い評判を聞かなかったのだけど、自分で観てみて「なるほど。そういうことか」と納得。

この映画を観に行った人は殆どがドラマ版のファン。ドラマでは「Who done it?(犯人は誰だ?)」が最大の焦点であり、それがこのドラマのキモだったし、観客の多くもそれを期待して観に行ってたんだと思う。でも今回は実行犯が話の冒頭で予め正体を見せてしまっているし、一応「裏切り者(内通者)は誰?」という焦点もあるものの、実は映画を観る前にドラマスペシャルとパンフで出演者コメントを読んでいると感のいい人なら直ぐに「コイツが黒幕かよっ!」って解かっちゃうんですよ。

ストーリーとしては解からなくも無いけど、観たかった「アンフェア」ではない。それが今回不評だった最大の理由でしょう。

それにクールが売りだった主人公の雪平も今回は娘が人質に取られる(結果的にそうなった)展開で、ドラマとは違った母の顔がクローズアップされすぎちゃったんで、なんとも違和感を感じた。確かに娘を奪われた母親としての反応としてはおかしくはないけども、それって客が見たかった部分なのか?って考えたら、やっぱり違うと思うんです。

更に言えば、ドラマ編で重要なバイプレイヤーだった安藤と雪平の夫・佐藤の出演が無かったのもね。安藤は劇中では故人なんだけど、ドラマスペシャルでも悩める雪平に語りかけるシーンで出演してたし、手はいくらでもあったと思う。もちろんスケジュールが合わなかったって理由もあるんだろうけど、命を狙う復讐者でありながらも相手を愛してしまうという強烈な印象を残したキャラクターだっただけに、この人が欠けちゃったのはね…。

それとパンフレットのプロデューサーのコメントに「本物の警察に拘った」と書いてあって元SAT隊員の経験がある人をアドバイザーとして迎えたらしいのだけど、装備がどうとかより、もっと違うところに気を配って欲しかったね。病院内部に立て篭もった敵の中に潜入してるってのに、ヒールの高い靴を履いて「カツカツ…」と音立てて歩くなよ!と。ゲリラ戦を挑むんだから、まずは気配を消す事に重点を置くなんてのは、ちょっと考えれば思いつくこと。相手に囲まれたら終わりなんだから。演出の力の無さというか、テレビの箱なら誤魔化せたかもしれないけど、わざわざ映画にした意味があまり感じられなかった。ちょっと豪華なテレビスペシャルで良かったんじゃないの?と。

あと、完結編と銘打ったわりには、根本的な解決を避けちゃってる点が一番イヤ。なんか「うまくいけば続編」みたいな、製作側のあざとさを感じた。よく考えたらドラマの「アンフェア」もあの関西テレビなんだよねぇ…(苦笑)