ディープインパクト事件〜顛末。
とりあえずフランスギャロから発表された処分内容を見ていただこう。
10月1日に行われた凱旋門賞において3着となったディープインパクト(池江 泰郎きゅう舎)から、レース後の理化学検査においてイプラトロピウムが検出された件に関して、11月15日(水)日本時間午後7時からフランスギャロ審査委員会が開催され、11月16日(木)日本時間午後に処分が決定した旨の報告を受けましたのでお知らせいたします。
内 容
○ディープインパクトを失格とする
○池江泰郎調教師に対し、15,000ユーロ(約225万円)の制裁金を科する
なお、ディープインパクトはフランスギャロから出走に関する処分を受けておりませんので、今後日本国内においても出走できることとなります。 また、池江泰郎調教師は既にフランスギャロから制裁を受けておりますので、改めてJRAからの(二重の)制裁はいたしません。フランスギャロ広報発表[全訳] 2006年11月16日(木) 2006年11月15日、フランスギャロ審査委員会は、 10月1日にロンシャン競馬場で行われた凱旋門賞で3着となったディープインパクトの事案を審査しました。 レース後に採取した同馬の検体を分析した結果イプラトロピウムが検出されました。 これは同馬を治療するための一連の処置において使用されたものでした。 フランスギャロ審査委員会は3着入着したディープインパクトを失格とすることとしました。 これによって同競走の着順は次のとおりとなります。 1着レイルリンク、 2着プライド、 3着ハリケーンラン、 4着ベストネーム、 5着アイリッシュウエルズ、 6着シックスティーズアイコン、 7着シロッコ 池江泰郎調教師に対しては、管理馬を保護するための十分な措置をとらなかったこと、 および明らかとなった規律違反を回避するための十分な措置をとらなかったことにより、 最高額の15,000ユーロの制裁金を科しました。 アンリ・プレ フランスギャロ審判部長
レース失格、調教師は罰金制裁は、予想されたとおり。問題は何があったのか、という部分だ。
調査結果について
フランスギャロとJRAの共同調査の結果は次のとおりでした。よって、ディープインパクトの管理責任者である池江泰郎調教師は、禁止薬物事案を未然に防止すべき調教師としての責務を十分に果たさず、その結果、凱旋門賞に出走したディープインパクトの尿検体から禁止薬物が検出されたことについて、調教師としての規律違反があったものと判断された。
- ディープインパクトの診療のためにフランスに出張していた日本人獣医師は、ディープインパクトの担当きゅう務員から「ディープインパクトが9月13日(水)ロンシャン競馬場での調教後に咳をし始めた」と聞いたため、フランスでの滞在きゅう舎担当のフランス人獣医師に相談をし、吸入治療を推奨された。
- 日本人獣医師の要望で9月21日(木)からディープインパクトに吸入治療を行うこととなり、日本人獣医師はフランス人獣医師の処方により吸入治療に必要な薬品「イプラトロピウム」を薬局で購入した。
- 日本人獣医師は、9月21日(木)〜9月25日(月)の5日間、フランス人獣医師から借りた吸入器を用い、担当きゅう務員の手を借りてディープインパクトに吸入治療を行った。
- ディープインパクトの関係者およびフランス人関係者は、ディープインパクトがイプラトロピウムを第三者から不正投与され得る状況にはなかったと申立を行った。
- このようにイプラトロピウム陽性の原因が特定されない状況の中で、池江泰郎調教師は、日本人獣医師と担当きゅう務員から「5日間の吸入治療中、ディープインパクトが暴れた際にディープインパクトに装着したマスクから容器が外れ、霧状化したイプラトロピウムが馬房床に噴霧したことが、2回あった。」と薬物検出後に報告を受けた。
- 池江泰郎調教師は、吸入治療を行った際に馬房床に噴霧したイプラトロピウムが、敷料や乾草に付着して競走当日まで馬房に残り、ディープインパクトが競走の前日から当日の間にそれを摂取した可能性があると申立を行った。
- 以上の状況から、ディープインパクトの検体からイプラトロピウムが検出された原因は明確には特定されなかったが、池江泰郎調教師は、9月21日から9月25日までにディープインパクトに対して行われた吸入治療において、ディープインパクトが暴れた際に馬房内に飛散したイプラトロピウムが敷料や乾草に付着したにも拘わらず、それら敷料、乾草を入れ替えずに放置し、競走前日から当日の間にディープインパクトがそれを摂取したことにより尿検体が陽性となった可能性があり、その不注意の全ての責任は自身にあると申立を行った。
つまり、「今のところ考えられる原因としたらこれしかない」ってことで処分が決まったが、本当の原因がなんだったのかは解かりませんでした、ってことよね。
イプラトロピウムって、気化するのにそんなに時間の掛る薬品なんですかね?専門外なんで迂闊なことは言えないけど、でもその一点がちゃんと明確にならないと、今回の仮説は証明されないことになる。専門家によると、イプラトロピウムは揮発性が低いので、溢した時の液体が長時間残ってしまう可能性はあるのだとか。体内に取り込まれても24時間あれば排出されてしまうってことだから、25日に治療を終えていることを考えると、いくら揮発性が低いとはいえ、そこまで残っているものかな?とは思うのだけど。
まぁ関係者はJC前にこれ以上騒がれたくないってことから処分を受けることで終わりにしちゃうつもりなんでしょうがね。
まぁ関係者はJC前にこれ以上騒がれたくないってことから処分を受けることで終わりにしちゃうつもりなんでしょうがね。