オシムの教えはグラドルに通ず

to id:yumeriaさん

うーん…やはり求められるのは「身を削る」ことよりも「周りへの観察力」てすかねぇ。これは有る程度訓練された娘でないと出場しても厳しいかもしれませんねぇ。そのような意味ではちゅ(松嶋初音)はかなり有利になるのではないかと思います。

地上波のバラエティ番組では「周囲への観察力」は、あって当たり前の基礎であり、多くのグラビアアイドルが地上波バラエティに入って最初にぶち当たる壁。自分のしゃべるところばかり気にして、視野が狭くなってしまうんですね。挙句、周囲の話に入るタイミングを逸してオンエアでは殆どカット。「収録では結構しゃべったつもりなのに実際には使われてなかった」なんてことが多いんじゃないでしょうか?
それで悩む娘もいるだろうけど、自分からすれば最初の入り方が間違ってると。最初に必要なのは、広く視野を取って他人が何をしゃべっているかをまず落ち着いて良く聞くことなんですから。
バラエティ番組ってサッカーに良く似ていると思うんです。
1つの番組を「チーム」と考えると、番組的にはアイドル枠というポジションが最初から与えられますが、そこから先は自分で居場所を作らないと結局控え選手=次の候補者と入れ替えられてしまう。
では、自分がその場にレギュラーとして居座り続けるにはどうしたらいいか?
それにはまず自分が出演者の中でどの立ち位置にいるのかをしっかり把握すること。つまり「周囲とのバランス」を考えることが必要になってくる。番組に出ている皆が皆、ロナウジーニョみたいになれるわけではないのですから、場合によってはディフェンスに回ったり、しかしチャンスがあれば攻撃参加するというその場その場の「適切なポジショニング」が求められるんです。
グラビアトークオーディションとは、表向き「トークバラエティ」をシュミレーションしながら、如何に短時間で「周囲とのバランスを取り、番組内で適切なポジショニングがとれるか」を競う番組なのです。
でもグラビアの娘って、普段は1人でチヤホヤされる王様=ロナウジーニョ扱いなんですよねー。そういうのに慣れちゃってるから、いざチームとして他の人間とバランスとって動けって言われても出来ないんですよ。
それでもバラエティ番組に出てれば何度かはボールを預けて(=ネタ振りして)くれます。しかしボール受けたはいいけど処理に困って自分勝手にパス出したって、受け手が対応できないようなものじゃ得点に結びつかない(お客にウケない)。そういうことが数回続けば、監督(=番組ディレクター)はその選手(=出演者)を引っ込めざるを得ないわけで。
バラエティーで求められるものは本当に厳しい。でも最初は落ち着いて周囲を見つつ自分の今いるポジションを確認しながら、慣れてきたら徐々に自分のポジションをシフトしていく動きをすればいいんじゃないか、と。まぁ、あまりノンビリやってると自分の欲しかったポジションを他の娘に取られてしまいますから、ある程度焦らなきゃいけないですけどね。
自分は、TVに出ることを目標にしてる娘には「常に周囲をよく見て考えるクセをつけなさい」と言ってます。特にバラエティで最終的に必要になるのは「空気を嗅ぎ取る嗅覚」とそれを処理する「頭の回転の早さ」ですから。
こう言うとなんだかオシム日本代表監督みたいですが(笑)でも彼の言ってることは、バラエティを目指すグラビアアイドル達にも丸々当てはまるんですよね*1。 今TV業界で活躍してるグラビア出身の娘たちは、すべからく「良く考えること」を実行してきたから今のポジションを築けたと自分では考えています。その最たる例がこの「グラビアトークオーディション」で司会を務める若槻千夏さんなんです。
自分は割と近いところで彼女を見てきましたが、その端々で「この娘は本当に寝食を削ってでも努力してるんだな」ってところを見せつけられてきました。競馬の番組に係るとなれば自分でノートを作り毎週勉強、バラエティ番組は欠かさず録画チェックして出演者の特徴を覚えたり、最近は本や新聞にもキッチリ目を通す(相変わらず漢字には弱いですが(笑))。普段のチャライ外見とは裏腹に、何をどうしたらいいか、自分のことだけじゃなく周囲にまで目を配って考えて動いている。本当にプロ意識の塊なんです。
この番組が芸人ではなくあえて若槻千夏さんとほしのあきさんというコンビを司会に起用した意図は、単に出演者に彼女たちのようになってもらいたいというだけでなく、彼女たちが入れ替わりの厳しいTV業界でずっと生き残っていられるのは今も常に努力を怠らないからだということを学び取ってもらいたいから、とも受け取れるんじゃないでしょうか。
id:yumeriaさんが加藤沙耶香さんならイケると感じているのは解るのですが、自分にはTV向きなのかどうかの判断は今の段階ではつけられません。なので加藤沙耶香さんについて、この場での直接の言及は今の段階では避けたいと思います。
しかしながら自分は、最初からその番組が見たいと思う人しか対象にしていないCSやインターネット放送は、ある意味「温室」だと思っています。地上波に比べて間口が広い=チャンネル&番組数がたくさんあるので、自分が1度得たポジションを誰かに奪われる心配って殆どないじゃないですか?そういう場で放送されているアイドル番組では本当の意味での競争意識が育つとは思えないんです。自分が見ていても「応援しているファンが見ている分には楽しいんだろうけど…」というものばかりだし。
それ故、そういう場でいくらファンにウケてると聞いても、地上波へステップアップしてきたとして果たしてどのぐらいできるかな?と。地上波ではアイドルファンだけではなく、一般視聴者にも面白いと思ってもらわなければ生き残れないのですから。実際そういうところをベースに地上波に進出して成功したグラビアの娘って今まで何人いるの?ってことです。
今までも現場で「この娘はグラビアではソコソコだけど、しゃべらせると意外に面白い」って娘は結構いました。でもグラビアアイドル同士が外見以外のところで競走させてもらえる場って今まで殆どなかったですよね。「グラビアトークオーディション」はそれができる非常に貴重な番組なんで、我こそは!と思うグラビアアイドルはドンドン挑戦してみたら良いと思います。

*1:今回の「グラビアトークーディション」でその頭のよさが一番感じられたのは、id:yumeriaさんも指摘した松嶋初音さん。早見あいさんのポジショニングに対して「ああいう娘に絡むと自分が火傷する」と言って避けた初音ひさみさんとはセンスの違いが歴然でした。あえて火中の栗を拾いに行くことで局面を打開する一手になる。度胸がなければできないことですね。