王者の引退

昨日行なわれたF1イタリアグランプリで優勝したフェラーリの”皇帝”ミハエル・シューマッハが優勝後の公式記者会見で自身の去就についてコメントし、今シーズン限りでレース界から引退することを発表した。

自動車のF1シリーズ第15戦、イタリア・グランプリ(GP)は10日、モンツァ(イタリア)で53周(1周5・793キロ)の決勝を行い、ミハエル・シューマッハ(ドイツ、フェラーリ)が1時間14分51秒975で今季6勝目、通算90勝目を挙げた。M・シューマッハはレース後、今季限りでの引退を表明した。M・シューマッハはレース後の記者会見で「今年の終わりでチームを離れ、レースから引退する」と語った。

車よりバイクレースの方が好きな自分ではあるが、やはり地上波で全国放送されるF1となるとついつい見てしまいますね。 今回のレースも最後まで見所があって面白かったです。
当時の王者・アイルトン・セナの「サンマリノの悲劇」の後を受けるように10年以上に渡って頂点に君臨しつづけた事は実に驚異的。王者であることの喜びや辛さ、苦しさ、そして何時見舞われるかわからない事故への恐怖。それらに打ち勝って長期政権を打ち立てることが出来たのは、彼が実直さで知られるドイツ人だということと無関係ではあるまい。
勝つためには手段を選ばない走行で時にFIAから出場停止などを食らうこともしばしば。しかしそれは誰よりもプロフェッショナルで在り続けるため、王者で在り続けるためであり、その気概こそが長く王者として君臨しつづけた最も大きな要因だろう。 しかし長く王座に座り続けたことでのモチベーションの低下、また自分の後継者とも言うべき”若き天才”フェルナンド・アロンソが出てきたことによって、近年引き際を模索していたミハエルにはちょうど良いタイミングだったのかもしれない。
今回そのアロンソエンジンブローでリタイヤしノーポイントで終わったことで、一時期10ポイント以上開いていたドライバーズタイトルがわずか2ポイントの差にまで縮まった。残りはあと3戦。次の中国GPの結果如何によってはその次の日本GPでシリーズチャンピオンが決定する可能性も大きく、今年の鈴鹿は目が離せなくなりました。
果たして”皇帝”はラストイヤーを最高の結果で終えることが出来るのか、またはアロンソが昨年に引き続き引導を渡すのか?
また今回のミハエル引退に伴い、来季のフェラーリのシートに現在マクラーレンメルセデスキミ・ライコネンが正式決定した。そのマクラーレンは現在ルノーの昨季王者・アロンソと契約。皇帝無きあと来シーズンはやはりこの2人が主役になるだろう。
一方、王者を失うことになったルノーライコネンにオファーを出していたらしいが、どうやらフェラーリ陣営より出遅れてしまったようである。セカンドドライバーのジャン・カルロ・フィジケラが残ってはいるものの、残りのシートは果たして誰に託すのか?その動向に注目したい。