噂の「NANA2」主役交替─新・奈々役に市川由衣さん

制作の話はありながらなかなか進展のなかった映画「NANA2」ですが、片方の主役・奈々役を宮崎あおいさんから市川由衣さんに替えて製作されることが東宝から発表された。
2で組み込まれるであろう「ベッドシーン」を宮崎あおいさんが拒んだための降板というのがもっぱらの噂であるが、そんなゴシップは他に任せて、ココでは2の主役を演じることになった市川由衣さんについて述べてみたい。
まず最初に新聞記事を観ていただこう。

「NANA続編」奈々役に市川由衣
昨年公開され興収40億円のヒットを記録した映画「NANA」の続編「NANA2」が、主演の1人を宮崎あおい(20)から市川由衣(20)に代えて製作されることが3日、配給の東宝から発表された。  矢沢あいさんの人気漫画を原作に、2人の女の子の友情や恋愛を描く作品。ナナ役は前作と同じく中島美嘉(23)だが、ハチと呼ばれる奈々を宮崎に代わり市川が演じる。また、ナナの恋人レン役が松田龍平(23)から姜暢雄(きょう・のぶお、27)に代わる。  製作のTBS濱名一哉プロデューサーは「全員のスケジュールが数年先まで合わず、早く見たいというファンの期待に応えるための決断」と説明。市川は「自分なりにハチを愛して楽しんで演じたい」と意欲。12月9日公開。

最近のイベント現場ではトンとゴブサタしている市川由衣さんであるが、出会い方はかなり珍しいものだった。
順を追って話していこう。
その昔ヤフオクで頻繁に行なわれていたアイドルのチャリティーオークションで「眞鍋かをりさんとツーショット写真集を作れる権」というのがあった。権利を獲得できるのは20名ほどだったと記憶している。自分もファンとして参加したかったのだが、当時抜群のグラビア人気を誇っていた眞鍋かをりさんを安値で落札できるはずもなく、最終的には11万円オーバーという値段にすっかり毒気を抜かれてしまい、悔しい思いだけが残ってしまった*1
ただ、こういった企画自体はソレまで普通の物販イベントしか出たことのなかった自分にとってかなり面白いと思っていたので、その後も同じ企画をやらないかなとチェックしてたんです。
まぁ本音を言えば「また、眞鍋かをりちゃんでやってくれないかなぁ〜♪」とね(爆;)
暫くして、また同じ企画の商品が出てきたのだが、今度は相手が眞鍋かをりさんではなかった。いつもなら
「なんだ…をりちゃんぢゃねぇのか。(・З・)ちっ!」と終わるところが、サンプル写真に映っていた美少女を見た途端、自分の目はクギ付けになってしまいました。
────そう、その美少女、実は「市川由衣」さんその人だったんです♪
出ていた商品は「ツーショット壁掛け時計を作る権利」で定員は30名。都内の某撮影スタジオでプロのカメラマンが市川由衣さんと落札者のツーショット写真を撮影し、それを背景に埋め込んだ壁掛け時計が後日送られてくるというもの。
参加特典として撮影で使われなかった写真に市川由衣さんがサインを入れたものを数枚。そしてゆっくり喋りたいと思っていた自分にとって大きかったのが、「2人きりでソファーに座りながらのフリートーク3分間」
…今じゃ間違ってもありえない企画ですね。
こちらは眞鍋かをりさんの時の落札価格を覚えているので「新人とはいえ、かわいい娘だし結構いくんじゃないの?」なんて思ってたら、市川由衣さん自身がデビューして間もない頃(ファースト写真集を出した直後)だったので、ちっとも値段が上がる気配がない。「フム…なら面白そうだから、ちょっと入れてみるか」と入札。そしたらなんとわずか1万円ちょっとで落札できてしまった!
「えぇ〜!? をりちゃんの1/10じゃん!いいの?」�堯福姥釥院─�
なんて驚きを覚えつつ、期待に胸を躍らせながら参加したのでした。
で、このとき初めて顔を会わせた市川由衣さんは「ちっちゃくてシャイで大人しい」という印象。
「2人きりというシチュエーションで喋る*2」という機会はそんなにあるものじゃないので相手も相当緊張していたよう。照れて視線をなかなか合わせられないところがすごく可愛くて
事前に調べたプロフィールで誕生日が2/10と、自分と1週間違いであることを知っていたので、そのことを最初に出すと打ち解けてくれたっけ。
スタジオでの待ち時間でその時集まってた他の落札者の方と待合いスペースで話をしてたら、そんな市川由衣さんの様子にみんなヤラレちゃってて(笑)「神保町の書泉ブックマートでサイン入り写真が付いた写真集が売ってるよ」と言ったら、撮影が終わった後に総勢10名で神保町まで行き、その場にあった写真集を買い占めてしまったり(爆;
ちなみに、このときに集まってた人たちが今も続くコアな市川由衣さんファンの母体になってるんですよね。
当時の市川由衣さんは現在所属する研音ではなく別の事務所の所属でした。その事務所が併設していた劇団の練習生でもあり、その頃から「将来は女優さんになりたい」とハッキリ公言していただけに、今こうして女優として活躍できているのは、その頃から自分の目標をキッチリ定めて努力してきた結果だと思います。
今年「サイレン」で待望の映画初主演も果たしましたが、自分の中では「主役を張るタイプではなく脇役でこそより一層輝く」と思っていて。というのも、性格がすごく真面目なんですよねー。その分ユーモアに欠けるというか…顔立ちが綺麗なだけに、余計にそう思ってしまう。そう思っていた矢先の「NANA2」の話ですから、ちょっと心配。
ベストセラー漫画で10代の女性を中心に圧倒的な人気を誇る原作。ただでさえ難しい続編の映画化でしかも主役の交替劇。前作の主役・宮崎あおいさんとも嫌が応にも比較されるし、思っている以上にプレッシャーを受ける作品ですよね。
普通なら怖くてオファー受けられないと思うのだけど、自分の知る市川由衣さんは結構ガチなところがあって、やろうとすることが困難であればあるほど「やります!」って手を挙げるタイプ。もちろんそれは素晴らしいし、今でも及第点の演技は出来ると思うけど、この難しい状況を考えると、市川由衣さんの中に演技者としての厚みがないと、周囲の雑音を黙らせることが出来ないんじゃないかって思う。根が真面目で一生懸命にやることが解かってるから、その後の反応が悪かった時に落ち込まなきゃよいのですが…
もっともこの難しいオファーを受けたのは、所属事務所が抱えている台所事情もあるのでしょうね。
伊藤美咲さんに続き、主演を張れる若い女優を早急に育てていかなきゃならないという…。今の研音さんでそれに合致するのは市川由衣さんしかいないですから。
気が付けば「ビジュアルクイーン・オブ・ザ・イヤー2002」では同期だった香里奈さんや沢尻エリカさんと当時は圧倒的な人気の差があったのに、今では立場がすっかり逆転してしまった。さらに石原さとみさんや堀北真希さんなど、自分の後にこの世界に入ってきた後輩たちにも抜かれている。俳優業は何よりもキャリアが必要だから、簡単にいかないのは解かっているだろうけど、心中穏やかじゃないでしょうね。
コレは個人的な提言なんですが、今までの市川由衣さんはキャリアがTVや映画に偏っているので、出来ることなら生のお客さんを相手に勝負する舞台を経験して自分の演技に確固たる自信をつけて貰いたいですね。生の観客の厳しい視線で評価される舞台は、市川由衣さんに演技することの楽しさ、苦しみ、悲しみ、怒り…いろんな感情を与えてくれると思う。今の市川由衣さんに見る感情表現はどうしても「オブラートに包まれている」ように見えてしまう。もっと自分を剥き出しにした演技があってもいいんじゃないかなって思うんです。
前の事務所さんの時に銀座小劇場でやった「役者修行」が最後で今となってはもうその感覚も忘れているだろうし、若いうちに舞台経験を積むことは将来的にも大きな財産になる。
機会があったら是非チャレンジして欲しいですね。

*1:当時ネットで知り合った眞鍋かをりさんファンの友人が数名この権利を落札していました。仲間内では「神」でしたね(笑)

*2:実際にはその様子をカメラマンが撮影してるんだけど…。