アイドルと金融業界

金融庁は14日、融資や取り立てをめぐる違法行為が多発したとして、消費者金融大手のアイフルに対し、新たな顧客の勧誘や融資など業務の一部停止命令を出す方針を固めた。同日午後にも発表する。 処分は有人、無人を合わせて1700を超える全営業店が対象。金融庁の検査で違法な行為が見つかった店舗は20〓25日、その他の店舗は3日間の業務停止とする方向で、消費者金融大手としては異例の厳しい内容となる。業界大手への処分は、現在検討中の貸金業法の見直し議論にも影響を与えそうだ。 アイフルでは、強引な取り立て行為や貸出利息などに関する説明の不備、債務整理に必要な取引履歴の開示書面の交付を拒否したケースが相次いでいると、債務者や弁護士らから指摘されていた。こうした点が、金融庁の検査で明らかになったとみられる。 違法行為は一部店舗で発覚したが、同庁は法令順守に関する全社的な内部管理体制の不備から生じたと判断した。貸金業界で全店への業務停止は、事業者向け融資のSFCG(旧商工ファンド)に対し昨年11月、同庁が命令して以来となる。

アイフルの福田吉孝社長は14日、金融庁の処分を受けて都内で記者会見し、処分の対象となった違法行為について「成果を求めすぎた結果ではないか。指導力不足を反省している」と陳謝した。 同時に「信頼回復に努めるのが私の責務」とし、引責辞任は否定した。 福田社長は、処分対象となった違反以外にも、不動産を担保とした融資で、借り手の収入から見れば不動産を処分する以外には返済できない貸し付けを9件金融庁から指摘されたことも公表。「必ずしも(不動産の)処分を考えたわけではないが、あいまいなスタンスがあったことも事実だ」と述べ、過剰貸し付けにつながる土壌があったことを認めた。 昨年10月から訪問による取り立てを禁止したほか、今後は成果主義を廃止し、支店の業績に連動していた賞与を会社全体の業績に連動させる体系に変えるなどの改善策を発表した。

いつかはこんなこともあるんじゃないかと思ってましたが、ついに金融大手「アイフル」の行き過ぎた取り立て行為に官公庁のメスが入った。
アイフル」といえば「チワワのクーちゃん」シリーズのユニークなCMで人気を得て、その後グラビアで人気上昇中だった安田美沙子さんを起用し、彼女がTVタレントとしてブレイクするきっかけになっていた。
アイドルと金融業界CMの先駈けは、先頃スピードワゴン小沢一敬との擬似結婚番組で物議を醸し出した小野真弓さん。清楚で明るいキャラクターがウケて、彼女以降、多くのグラビアアイドルが金融業界各社のCMに起用されることになった*1
特にアーティストハウスピラミッドが積極的で、安田美沙子さんのほかにも「アコム」で熊田曜子さん、「レイク」で夏川純さんと所属タレントをライバル会社へ同時期に出演させている。
確かにグラビアアイドルをTVタレントに成長させる上で、露出機会が多い金融業界CMは、売り出しツールとして非常に大きな力になっていたし、ギャラの面でもかなり良いのだろうが、それにしてもちょっとアコギな売り方だよね〜、なんてあちこちで話してはいたのだけど。


でも、この事件をきっかけに、こうした流れに少し歯止めがかかるかもしれないですね。
TVタレント、特に女性は「タレントのイメージ」はかなり重要。
今までは表面上華やかな面ばかりが目立っていた金融業界CMだけど、いざこういうことが起こると「大黒屋、オヌシも"悪"よのぅ…( ̄ー ̄;)」という一般的な企業イメージとしてのダークな面が大きくクローズアップされてしまう。
タレントを出演させる事務所側も、売り出そうとしている矢先に仕事がポシャってイメージマイナスじゃ何にもならないし。
既に金融業界CMに出演させている他の事務所にしても、「リスクもそれなりにある」ということに気がついて、今後方針転換することも十分考えられます。


安田美沙子さん側からすれば今回の件は完全に「被害者」と言っていい。
清楚なイメージを買われてCM起用されたが、元より話題のCMでメディア露出が多く、世間的に浸透してしまったために、事件のマイナスイメージがそのまま彼女に降りかかってくる可能性もないとはいえない。
ただ救われている部分は、安田美沙子さん自身が既にTVタレントとして独り立ちし始めていること。

とはいえ、おそらく今回限りでCM契約は解除されるだろうし、事務所としては金銭的に大きなスポンサーを失ったことになり、これは大きな痛手。


またTV番組制作においても重要な収入源だっただけに、少なからず内外に影響はあるでしょう。
各民放キー局は既にCMクレジットから「アイフル」を外しているみたいですしね。