シーザリオ、史上初の日米オークス制覇!
3日に米カリフォルニア州・ハリウッドパーク競馬場で行なわれた牝馬の芝GIレース、アメリカンオークス()に出走した本年度の日本オークス馬・シーザリオ(福永祐一騎手騎乗)がスタートから好位につけ、3コーナーからのロングスパートで後続を4馬身引き離す圧勝劇を演じて見事に優勝!勝ちタイム1.59.3はステークスレコードというオマケつき。日本馬がアメリカ競馬の重賞レースを勝ったのはハクチカラ以来2頭目で、GIレースはもちろん初制覇。昨年、桜花賞馬・ダンスインザムードが差のない2着になったことで注目を浴びることになったこのレースですが、まさかその翌年にアッサリ奪取する馬がいたとはちょっと(ノ゜⊿゜)ノびっくり!!当初は同厩舎のオークス3着馬・ディアデラノビア*1も出るはずだったのだから、1-2フィニッシュも高い確率でありえたかも知れませんね。
今まで日本馬はヨーロッパや香港競馬では好成績を収めた馬が何頭もいるけど、テンからガンガン行ってスタミナを削りあうアメリカ競馬特有のレース展開が、伝統的なヨーロッパスタイルを模範としてきた日本の競馬とは合わないと長い間言われて来て、実際に滞在競馬でもない限り、今まではそのとおりの成績でした。いきなり日本から連れて行った調教馬が海外で直ぐに実力を発揮できるのはすごくマレなこと。シーザリオは精神的にもすごくタフであることを証明しましたね。
父のスペシャルウイークはアメリカが生んだ稀代のヒーローにして日本におけるもっとも偉大な種牡馬となった「Sunday Silence」の代表産駒であるし、母は欧州の絶対的リーディングサイヤー「Sadler's Wells」を父に持つ名血。確かに良血には違いないけど、「Sunday Silence」の孫世代がココまでの能力を見せつけたことにまず驚きました。今まではどんなに頑張っても父の孫世代が実仔世代を実力で越えることはないだろうと漠然と思っていたけど、コレが「血統の神秘」なんですね。まぁ世には「隔世遺伝」なる説もありますし、「Sunday Silence」の秘めた潜在能力の高さが本当に発揮されるのはこれからなのかもしれません。
そして騎乗した主戦の福永祐一騎手もアメリカでは初騎乗*2というハンデの中、そんなことをまるで感じさせないレース振り。今年はこれでGⅠ5勝のハイペース。大きなレースほど力を発揮してくるところなどは天才と歌われた父・福永洋一氏ゆずりかと。
でもこのレースを勝った事でシーザリオを秋華賞に使ってくるかどうか微妙になりましたね。暑い時期の遠征でそろそろ休養を取らせたいところだし、福永騎手にはラインクラフトという2冠馬のお手馬もいるし。自分としてはラインクラフトが秋華賞⇒マイルCS(具合がよければこの後に香港マイルあたりも狙える)、シーザリオが天皇賞・秋かエリザベス女王杯⇒JC(もしくは有馬記念)という選択もありかな。もしくはもう思い切って再渡米してBCフィリー&メアターフ*3狙いも。今回のレースを勝った事で決して絵空事では無くなったし、賞金的なことを考えなければ勝負してみるだけの価値は十二分にある*4。
【7/10】追記
どうやらシーザリオ陣営はBCフィリー&メアターフ挑戦も実際に視野に入っている模様。だがBCに出るためには産駒の追加登録料9万ドル*5が必要とのこと。決して安い額ではないし、BCでは欧州の芝一流馬も参戦してくるので関係者としては二の足を踏むかもしれない。しかしこれだけのパフォーマンスを見せた馬を狭い日本の競馬だけに留めておくのは世界的評価の面から見ても惜しい。今後の日本競馬や馬産界のためにも関係者の英断を期待したい。
シーザリオが米オークスを快勝!日米GI制覇 【SANSPO.CON】
*1:レース後に骨折が見つかり休養中
*2:『アメリカという国に行くのさえ初めてなんで…そんなんで勝てるわけないって(武)豊さんに言われました(笑)』と7/2放送の「うまッチ!」のインタビューで答えていた
*3:今年は10/29 米ベルモントパーク競馬場で開催
*4:BCフィリー&メアターフは賞金100万ドル
*5:レース賞金の9%=約1000万