有馬記念(GI)

コーナーを5回の中長距離戦。スピードの緩急がつきやすく、4コーナーでの仕掛けどころが難しい。予想する方もどうにも流れを把握しずらいレースである。

今回はゼンノロブロイ天皇賞(秋)・JC・有馬記念の3連覇を達成するかどうか最大の焦点。確かに今のゼンノロブロイは、正に全盛を迎えたといって良い出来だろう。鞍上オリビエ・ペリエ騎手とは相性も良い。しかし日本の競馬史で過去に秋3冠を制したのはテイエムオペラオーただ1頭のみ。しかも当時のテイエムオペラオーは様々な馬場をこなして1年間負けなしという、周囲を説得できるだけの強さを既に持っていた。裏を返せばそれぐらいの強さを発揮できなければ勝てないということ。ゼンノロブロイの強さは認めるが、これがテイエムオペラオー級であるか?と聞かれるとそこまでは達していないと思う。紛れが多く、ちょっとしたことが明暗を分ける有馬記念。各馬がマークするところで最内枠に入ったのは果たして?連をはずすのは考えづらいが、あえて本命ではなく対抗にする。

今年は3歳馬が古馬混合戦で健闘している。これは古馬の有力馬が抜けたこともあるのだが、だからといってレースレベルが低かったわけではない。コスモバルクの活躍やダービーもレコードタイムで決着したように、キングカメハメハという怪物がいなくなっても力は確かな世代だ。そのなかでも菊花賞を早めに抜け出して勝ち、JCで自分の競馬が出来なかったのにもかかわらず猛然と追い上げたデルタブルースを本命。本来良い脚を長く使えるタイプなので、前走のように出遅れさえしなければこのレースにはピッタリだと思う。コスモバルクはJCは厳しいかと思ったが脅威の粘り。本当にタフな馬だが、戦績をみても解るように2番が利かないタイプ。オーナーもジョッキーに対して余計なことを言い出してるし、今回は不安が先に立つので3番手まで。

その他は調子が良さと鞍上が魅力のダイタクバートラム、今回は自分の形に持ち込めそうで復調していれば力的に1発あっておかしくないタップダンスシチー、追い込み一辺倒だがはまれば切れるツルマルボーイハーツクライを抜擢。アドマイヤドンは芝実績もあるが2年も前の話。長くダートを走っていきなり芝の一線級とやって勝てるほどではないだろう。