第67回皐月賞結果

皐月賞>◇15日=中山◇G1◇芝2000メートル◇3歳◇出走18頭
単勝7番人気の伏兵ヴィクトリー(牡、栗東・音無)が競り勝った。レース中盤からハナに立ち、ゴール前ではサンツェッペリンと壮絶なたたき合いを展開。外からフサイチホウオーも強襲してきたが、これらを抑えて1冠目を制した。勝ち時計は1分59秒9。
騎乗した田中勝騎手は92年安田記念以来、15年ぶり2度目の中央G1制覇を達成した。2着サンツェッペリンも15番人気の低評価で、3着フサイチホウオーは2番人気だったが、3連単の配当は162万円の大波乱になった。1番人気アドマイヤオーラは4着に敗れた。
馬連(9)(17)は9万4630円、馬単(17)(9)は17万8340円、3連複(1)(9)(17)は20万5370円、3連単(17)(9)(1)は162万3250円だった。

今日は16時から後述の齊藤夢愛さんイベントがあったので、昼過ぎに渋谷WINSで馬券を早々に馬券を購入。
あくまでも新聞だけでの検討で、レースも見られないから馬券は控えめ(よく考えたらすぐ近くのプラザエクウスでレースだけは見れたんだよね…)。
今回は平均ペースの上がり勝負とみて

アドマイヤオーラ

ドリームジャーニー

ココナッツパンチ

ナムラマースフサイチホウオー

という組み合わせだけしか買いませんでした。ただ中山なので真裏の展開は頭に思い描いてはいた。逃げ宣言していたサンツェッペリンがノーマークの人気薄になってて、中山の京成杯を逃げ切って勝っていることは気がついていたけど、その時の上がりが35.0だったので、連対はあっても流石に3着まで。ヴィクトリーは、リンカーンの下でスタミナは充分あるし現状は逃げるだろうけど、とにかく調教がまともに出来てないのでどうだろうか?狙うなら菊花賞あたりか?

ところが…

ハロンタイム比較】
弥生賞 12.3 - 10.6 - 11.6 - 12.8 - 12.5 - 12.6 - 12.9 - 11.8 - 11.7 - 11.7 2:00.5
皐月賞 12.2 - 11.2 - 12.1 - 11.6 - 12.3 - 12.3 - 12.3 - 11.6 - 12.0 - 12.3 1:59.9

前の馬に中間ほぼ全てにおいて11.6〜12.3と殆ど乱れの無い絶妙な平均ペースに持ち込まれては、後続は手も足も出ません。早くも無く遅くも無く。最後の坂を考えれば、早めに動くのは得策じゃないし、各々がけん制しあってしまった。前にいた2頭の鞍上以外は、4コーナーで直線を向いた時に「しまった!」と思ったでしょうね。でも時既に遅し。
中山コースはこれがあるから、本当に予想が難しいです。流れ一つでレースが全く変わっちゃうんだから。

3着まで全て鼻差の大激戦を制したのはヴィクトリー。確かに調教が良くなかったけど、それに目を瞑ってタイムが良かったことを素直に評価すれば、結果には納得できる。今回に限って言えば鞍上の田中勝春騎手がテン乗りで何も考えずに「馬任せに走らせた」自然体の勝利ですね。しかもずっと手前をスイッチしないで勝っちゃったらしいから、こちらが考えていたよりも相当強いと認識を改めなきゃいけない。同じブライアンズタイム産駒で逃げて皐月賞を勝ったにもかかわらず、ダービーでもフロック視されたサニーブライアンが急成長を遂げて2冠馬になったように、ブライアンズタイム産駒は調子のいい時に狙っておくと言うのがいいかも。
ただ唯一の不安は鞍上の言うとおりにならないって気性。サニブーはとても素直な馬で折り合いには全く問題が無かったですから。馬券を買う側としてはどうしても不安になる部分です。

サンツェッペリンもよく頑張ったと思うけど、これがGIなんですよね。殆ど活躍馬の出ていないテンビー産駒。大きい鼻差になったけど、これでこの馬も逃げてこそ持ち味が生きると証明されたので、ダービーでも間違いなく逃げるでしょう。ただ、母の父が短距離馬のオジジアンなので、東京2400はやはり不安要素が大きい。

3着のフサイチホウオーは1番人気で格好はつけたと思います。最後はやはり自力が違った。ジャングルポケット産駒ですから、中山が向いているとも思えなかったし、元々フサイチホウオーはダービーでこそ狙えると思っていたので、よいウォーミングアップになったんじゃないでしょうか。

4着アドマイヤオーラは、2番人気だったけど位置取りが後ろ過ぎたのが全て。今季の武豊騎手はどうもレースでの勝負どころの読みが狂っちゃってる感じがします。ここまで不動の王者として君臨してきたのが、4月半ばでまだ全国リーディング7位*1なんですから、調子が悪いとかいうよりももっと深刻。ちなみに昨年1年間で勝率0.225で連対率が0.375。連対率は3割4分ぐらいなのでそんなに落ちてないけど、勝率が1割5分というのはちょっと低すぎ。 人気を背負っても勝ちきれてないのが数字にも表れている。やはり稀代の名馬ディープインパクトの感触があまりにも強烈過ぎて、それがまだ抜けてないのかも知れません。

ちなみに…
レーシングパンフレットを見たら、表紙がネオユニバースVSサクラプレジデントの時の皐月賞。なぜこのときのレースが?という疑問を持っていたけど、レース後に「あ、そうか!」と。
写真に大写しになってたサクラプレジデントで2着に泣いたのは田中勝春騎手、ヴィクトリーの半兄はリンカーン=プレジデントなんだよね。なんちゅう符合だよ(苦笑)

92年の安田記念ヤマニンゼファーで勝って以来、翌年と翌々年での天皇賞・秋でのセキテイリュウオーあたりが最大のチャンスだった。でもそれ以降はそれほど騎乗馬に恵まれず(安田記念で1番人気になったスティンガーぐらい)、何時の間にかGIでの連敗記録だけが取り上げられるようになり(実は地方競馬を含めると2005年に統一GIを勝っていたのだが)、サクラプレジデントの時はネオユニヴァースとエイチンチャンプと3強を形成して、皐月賞は久々に巡ってきたチャンスだったけどそこでも2着。最後の直線200メートルをネオユニヴァースとビッシリ叩きあった末に負けて、すごく悔しい思いをしてましたからね*2

リーディングでは常に上位なのに、人が善すぎて大レースの騎乗馬に恵まれないという、損をしてるのが明らかなのに欲が無いのか、いつも笑っててそういうところをあまり表に出さない人でしたからね。

馬券は負けたけど、勝ったのがみんなから愛され続けた田中勝春騎手ということで、素直に祝福を贈りたいと思います。

カッチー、おめでとう!\(*^∇^*)/

着順 馬番 馬名 性齢 負担重量 騎手 タイム 着差 上り
タイム
馬体重 調教師 単勝
人気
1 8 17 ヴィクトリー 牡3 57.0 田中勝春 1:59.9 35.9 476 ±0 音無秀孝 7
2 5 9 サンツェッペリン 牡3 57.0 松岡正海 1:59.9 ハナ 35.7 466 -8 斎藤誠 15
3 1 1 父市フサイチホウオー 牡3 57.0 安藤勝己 1:59.9 ハナ 33.9 506 -10 松田国英 2
4 7 15 アドマイヤオーラ 牡3 57.0 武豊 2:00.1 1 1/2 33.9 444 -2 松田博資 1
5 5 10 メイショウレガーロ 牡3 57.0 福永祐一 2:00.2 1/2 35.4 456 +2 小島太 11

*1:※4/16現在

*2:ちなみにこの時、勝ったミルコ騎手に入線後頭をハデに叩かれたシーンも有名。