デルタブルース&岩田康誠騎手、伝統の長距離戦・メルボルンカップ制覇!

第146回メルボルンC(7日、オーストラリア・フレミントン競馬場、GI、3歳上、ハンデ、左・芝3200メートル)は、岩田康誠が騎乗したデルタブルース栗東・角居厩舎 父ダンスインザダーク)が快勝し、賞金300万豪ドル(約2億8000万円)を獲得した。2着にD・オリヴァーが騎乗したポップロック栗東・角居厩舎 父エリシオ)が入り、日本馬のワンツーフィニッシュとなった。
日本調教馬の海外GI制覇は15度目(12頭目)。同レースをオーストラリアとニュージーランド以外の馬が勝ったのは史上3頭目。岩田騎手は海外GI初制覇で、日本人騎手がオーストラリアGIを勝ったのも初めて。
デルタブルースは積極的な競馬で直線入り口で先頭に並ぶとそのまま押し切り、菊花賞以来のGIタイトルを豪州最大のレースで獲得した。ポップロックは直線よく伸び2着を確保した。

長距離のスペシャリストが、日本競馬の歴史に新たな1ページを刻んだ。一昨年の菊花賞デルタブルースが、オーストラリアGIレースで日本馬初優勝。それも100年以上の伝統を誇るメルボルンカップでの快挙達成だった。
好スタートから前方の好位置を確保。折り合いをつけてうまくペースに乗ると、最終コーナーを過ぎたところでトップに抜け出した。岩田騎手は「少し早いとは思ったけれど、デルタブルースが走る気満々だったので、行かせた」と、馬のスタミナを信じてゴーサインを出した。
直線で猛追してきたポップロックとの一騎打ちとなったが、岩田騎手は「ちょっとだけ勝ったかな」。頭差の際どい勝負にも勝利を確信していた。
角居調教師は昨年、米国のアメリカンオークスシーザリオで制し、日本馬初の米国GI制覇を達成している。今回は10月初めに現地入り。21日のGI、コーフィールドカップ(3着)をたたき台にしてメルボルンカップに臨んだ。
「検疫厩舎(きゅうしゃ)で比較的自由に調教をやらせてもらえたし、さまざまなリクエストも聞いてもらえた」。海外遠征で培ってきた豊富な経験と知識が、担当馬の海外での活躍につながった。(共同)

前走のコーフィールドカップ(豪GⅠ・10/21)で1番人気で僅差の3着になったことで「次はかなりの確率でいけるんじゃないか?」と思っていましたが、見事その期待に応えてくれました!
この前の凱旋門賞薬物疑惑問題で日本の競馬ファンから海外GⅠに対する関心が薄れつつあったところだったので、これはかなり朗報だったと思います。しかも1861年創設、今年で146回を数える伝統のレース。長距離戦の意義が薄れつつある現代競馬事情を差し引いても、凱旋門賞制覇に勝るとも劣らない快挙だと思います!
それにしても角居調教師はすごい!
今まで海外遠征に行く馬って、割と手厚い保護下で遠征して…ってパターンが多かったけど、角居調教師はそんなに特別なことをせずに(もちろん馬の能力が秀でていることは確かだけど)きちんと結果を出してくる。
なんか「本当に強い馬っていうのは、走る能力だけじゃなくて、精神的にタフな馬なんだよ」って思えてきます。
また今回デルタブルースが勝ったことで、父ダンスインザダーク種牡馬評価が格段に跳ね上がるでしょう。これだけのスタミナ系統ですから母の父としても期待できるし。もしかしたら豪州からリースのオファーもあるかもしれません。サンデーサイレンスの血統を日本ローカルに終わらせず世界で延ばすためにも、ココは社台SSさんに英断を期待したいです!
メルボルンカップ(豪G1)】最終成績
11/7 フレミントン競馬場 芝3,200m/良 23頭立て
着順 馬番 ゲート番 馬名 性齢 重量 調教師 騎手 タイム・着差
1 2 11 デルタブルース 牡5 56.0 角居 勝彦 岩田 康誠 3:21.42
2 12 12 ポップロック 牡5 53.0 角居 勝彦 D.オリヴァー アタマ
3 23 3 メイビーベター せん4 50.0 B.メイフィールドスミス C.マンス 4 1/2

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