古馬牝馬路線混沌

日米オークス制したシーザリオ引退
05年日米オークスを制覇し、最優秀父内国産馬に選出されたシーザリオ(牝4、栗東・角居)が引退することになった。5日、管理する角居勝彦師(42)が明らかにした。放牧先のノーザンファーム(北海道安平町)で、昨年のアメリカンオークス後に発症した右前繋靱帯(けいじんたい)炎を再発。昨秋は秋華賞や再渡米のプランをすべて白紙に戻し、復帰に向け調整を進めていたが、かなわぬままターフに別れを告げることになった。悲報を知った主戦の福永祐一騎手(29)は「うそ…。すごいショックです」と肩を落とした。  同馬は05年フラワーCでデビュー3連勝とともに重賞初制覇を達成。4連勝を懸けて臨んだ桜花賞は1番人気に支持されながら、ラインクラフトの頭差2着と涙をのんだ。しかし、オークスで見事1番人気に応えG1ウイナーに輝くと、続くアメリカンオークスを4馬身差で圧勝。その名を世界にとどろかせ、今年は再び海外遠征のプランが浮上していた。

スイープ調教中に骨折!全治3カ月
G1・3勝(04年秋華賞、05年宝塚記念エリザベス女王杯)を挙げている昨年の最優秀古馬牝馬スイープトウショウ(牝5、栗東・鶴留)が、4日の調教中に左第2中手骨骨折を発症していたことが6日、分かった。全治3カ月程度の見込みだが、鶴留師が「速歩(はやあし)なら乗れるくらい」というほど程度は軽い。厩舎でしばらく様子を見た後に放牧に出され、秋に備える予定。  同馬は3月3日に帰厩。春のG1戦線を目指して乗り込みを開始したが、最近は骨りゅうが出て、調整が進んでいなかった。鶴留師は「骨りゅうがなかなか治まらないのでレントゲンを撮ったら、軽度の骨折が見られた。残念だが軽症のうちに気付いたのが幸い。同じ馬主で年上のシーイズ(トウショウ)がいるので、それより先に引退させることはない。秋の復帰を目指したい」と語った。

今年からコレまで春シーズンに特定の目標がなかった古馬牝馬路線に「ビクトリアマイル」という古馬牝馬限定のGⅠレースが新設された。
その第1回の目玉といえる昨年の日米オークス馬・シーザリオが長期休養の原因となった故障を再発して早期引退となってしまった。復帰に向けて調教中の故障だけに、既に脚が持たなかったとみることもできる。今引退すれば今年の種付けにも間に合うということもあるのだろう。
それにしても痛手だナァ…なんて思った矢先、優勝候補最右翼・現役古馬牝馬最強のスイープトウショウまでもが骨折休養することになってしまった。幸い軽微なものらしいが、それでも復帰を考えれば秋以降ということになる。
牡馬を相手にしても引けを取らないレースをしてきたスイープトウショウと極限の末脚で日米オークスを制したシーザリオ
ぜひとも東京の長い直線で直接対決を観たかったが…
これでビクトリアマイルはラインクラフトエアメサイアの昨年のクラシック2強がそのままスライドして人気になってしまうのだろう…一気に層が薄くなってしまっただけに、果たして盛り上がるのだろうか。