皐月賞回顧

皐月賞>◇16日=中山◇G1◇芝2000メートル◇3歳◇出走18頭  単勝6番人気の伏兵メイショウサムソン(牡、栗東・瀬戸口)がタイトルをもぎ取った。好位から直線半ばで力強く抜け出し、後方から迫る有力馬をねじ伏せてゴールした。今年10月で40歳になる石橋守騎手は念願のG1初制覇。「最後まで馬の力を信じた。(G1は)とても欲しかった。今はとても幸せ。この馬に乗せてくれた周囲の人たちに本当に感謝したい」と感無量だった。2着にはドリームパスポート、3着はフサイチジャンクが入り、1番人気のアドマイヤムーンは4着だった。  馬連(2)(5)は1万3980円、馬単(5)(2)は2万9670円、3連複(2)(5)(6)は3万4700円、3連単(5)(2)(6)は27万3310円。

アドマイヤムーンが絶対の存在ではないこと、内枠の先行馬できる馬が有利なこと、平均ペースの速い流れでスタミナを問われるタフなレースになりそうなこと…
全て前日の展望に書いた通りに進んでいるのにもかかわらず、全く違う結果になる…これが競馬なんですよね〜☆ヽ(´ー`)ノ
今日はミュージックアイドルバトルがあったので、馬の状態を確認せずに馬券購入。
馬券は◎フサイチリシャールを軸にしての3連復軸1頭流しで 1-6,15,5,12,11,16と3連単1,6,15のBOX勝負だったのですが、最終的にドリームパスポートまでは手が回らず。
どっちにしろメイショウサムソンの単は全く考えていなかったので、完敗…(;>Д<)


で、録画でパドック〜レース映像を帰宅後に確認。
パドックで1番良く感じたのがメイショウサムソン。「今直ぐにでも走りたくてしょうがない」という気合ノリで、返し馬の出だしも引き絞ったスプリングを解き放つように素晴らしかった。
フジTVの佐野アナが「ちょっとイレコミ気味」なんて言ってたが、「イレコミ」と「闘志を前面に出した状態」は、見る人が見れば直ぐに見分けがつく。この日のメイショウサムソンは、生涯最高の出来であったといっていい。他の馬でもこれだけの状態を見れることは、滅多にないのだから。
ちゃんと映像を見ていたら、本命を替えていたかも。
次点がフサイチジャンク。元々SS産駒らしい青鹿毛の見栄えの良い馬ですが、この馬の場合は精神的にどっしり落ち着いていて、その面ではカリカリしやすいSS産駒らしくない。関係者のコメントでも「頭のいい馬」という表現がよく出てくるのが良く解る。もう少し闘志を出しても良いかと思うが、こればっかりは人間と同じなので…(笑)
アドマイヤムーンフサイチリシャールは可もなく不可もなく。「キッチリ仕上げてきたな」という印象で普段通りの力は出せそう。だが、それ以上のプラスアルファは特に感じられなかった。
その他目立っていた馬は特になし。


レースを観たが、スタート直後の位置取りが明暗を分けたかなと。
先手は予想通りステキシンスケクン。ハナを切りたかったニシノアンサーはスピード負けし、番手のレースを強いられる。ゴウゴウキリシマもスタートダッシュがつかず、早くも脱落。
フサイチリシャールは、内側に切れ込んできたナイアガラに進路をカットされ、若干リズムを崩したかもしれない。スピードの違いで直ぐに2番手につけたので大きな影響は無かったとは思うが、大レースではそのちょっとしたことが勝負の分かれ目となるのはいうまでもない。
メイショウサムソンドリームパスポートは好スタートから好位内目を追走。ジャリスコライトが中段。アドマイヤムーンは中段やや後ろ、それを視野に入れる位置にフサイチジャンクサクラメガワンダーは更にその後、スーパーホーネットは出遅れて最後尾。
ステキシンスケクンの逃げは、1000Mでピタリ60秒と絵に描いたような平均ペース。さすがは名手・藤田。混戦と言われる中で後続が動きたくとも動けない絶妙な流れを作り出した。


4コーナー。脚色が鈍ったステキシンスケクン馬なりで捉えるフサイチリシャール。コーナーワークを使って早くも後続を引き離しにかかる。グズグズしていては後続との末脚比べになり、切れ味に勝る馬にはかなわない。そのままゴールまで逃げ込みを図るだろうという作戦は予め予想されていた。
後続も逃がすものかと一気に押し上げるが、フサイチリシャールのスピードに一瞬離されかかる。アドマイヤムーンサクラメガワンダーは、ごちゃつく内を避けて大外へ持ち出した。


直線入り口で先頭に立ったところまでは、福永騎手もしてやったりだったろう。ところが深めに刈られた芝が影響してか、ここからフサイチリシャールにいつもの伸びが見られない。
もがくフサイチリシャールを尻目に馬群を縫ってただ1頭一気に並びかけたのがメイショウサムソン。鞍上・石橋騎手のゴーサインに鋭く反応すると、あっという間にフサイチリシャールを交わして先頭へ。
一呼吸遅れてフサイチジャンクも追撃にかかる。アドマイヤムーンサクラメガワンダーは外。
ココで内からスルスルと弾けるように伸びてきた白い帽子…ドリームパスポート!!
高田騎手の鞭に応えてただ一騎、牙を向いて襲い掛かった。前を行くフサイチリシャールを巧みな手綱捌きで交わし、抜け出してから少し気の緩んだメイショウサムソンに、ついには身体半分まで詰め寄り…このまま逆転か?!
ところがメイショウサムソンは、並びかけようとする相手をジロリと見据えると眠りかけた闘志に再び火がついた。ギリギリまで力を出し切らねば乗り越えられない最後の急坂を目の前に、二の脚を使って再加速。ドリームパスポートも追いかけるが、最後の抵抗ももはやここまでと力尽きた。
メイショウサムソンは、第66代皐月賞馬の栄冠へ、誰よりも先にゴール板を駆け抜けた────。


勝ちタイム 1.59.9


高速決着主流の近代競馬では目立ったタイムではないが、心に残る名勝負であったと思う。
石橋守騎手とオーナーの松本さんは、これが始めてのGⅠ&クラシック制覇。
大レースではいつも主役の脇を演じてきたコンビが、ついに表舞台で日の光を浴びた。
喜ばしいことと思う。おめでとうございました!!